数年前のこと。
近所のお婆ちゃん家の庭に真っ赤な花をつけた1本の木を見つけた。
このお婆ちゃんは庭でできた野菜とかいつもくれる ありがたいお婆ちゃん。
「おばちゃん、その木の花 めっちゃ綺麗やねぇ」
「そぉやろ。勝手になっとったんよ」
「なんていう木なん?」
「よぉわからんけど、ヤマモモ?とかなんとか…わからん 綺麗けんなんでもいいんよ」
「そぉやね」
「あんた これ好きなんやったら あげらい」
「えっ!こんな大きいの庭に入らんで いいわい」
「ほんなら その横に生えとる小さいのあげらい はよスコップ持ってき 一緒に植えちゃるけん」
「いや、いい いい そんなん貰ったら悪いわ」
「いいけん はよ スコップ持っとるやろ」
「もぉ ほんとにいいん?」
ってなやりとりで、近所のお婆ちゃんに貰って一緒に植えた赤い花の木
植えてから2~3年かな。今年、初めて咲きました。
でも、お婆ちゃんは去年、施設に入って引っ越して、お婆ちゃんの小さいな家と彩り豊かなお庭は 今はなくなってマンションになりました。
「お婆ちゃん 元気かい? 咲いたよ 綺麗なよ 見においでや」



