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今日のテーマは、猫をリードを繋いで犬のように散歩させる行為についてですが、関係法令と猫の本能・習性を理解したうえでの結論から申し上げると「不適正」と言えると思います。
前回の投稿を振り返りながら考えると、行動制限せず自由に外に出すことに比べれば、リードに繋いで外に出すことは安全保持や感染症防止の観点では、大幅にリスク軽減していると言えるでしょう。そこは飼い主様さえ良ければ良い範囲ですが、万一のことがあっても法律上の努力義務を怠ったことにはならないと思います。
しかしながら、猫は本来習性としてテリトリーがあり、自分のテリトリーとして認識して暮らしている室内以外の屋外に安易に連れ出すと、猫が予期せぬ強度の身の危険を感じた時に生じるストレス強度から起こす体の動き、例えばリード制止が出来なくなるような急に逃げ出すなどの行動によって、リードが猫自身の首や飼い主の体に巻き付く、抜ける、飼い主が安全保持できない、などの状況を起こすことがあります。
文献によりますと「猫にリードを繋ぐ場合、一定の力が加わったら自然に外れる構造の物を選んでください」と言う方もみえますが、リードが外れてしまったら、たちまち自由行動猫になり、飼い主による健康安全保持、危害迷惑防止、感染症予防、逸走防止の責務が果たせなくなります。
これらの責務が果たせない飼養管理状況は「不適正飼養」ですので、他人への影響を考慮すれば、犬の散歩のようにリードを繋いでいても散歩目的等で野外へ出すべきではないと言えるでしょう。
昨今では各地で災害が頻発するため、避難訓練の一環としてリードに慣らすことがにわかに推奨されていますが、この訓練も室内で行うことが出来ますし、猫の場合は外での訓練は思わぬ弊害が伴います。
災害避難時はキャリーでの移動と屋内の避難所に慣れることができて初めて、避難所屋内での散歩が「できるかもしない」と思っておく方が良いでしょう。
大テーマである「動物福祉」に立ち返り、万一のことを考えるのも動物の待遇向上と言えるのではないでしょうか。
次回は、もう少し身近な「室内飼養におけるケージ飼いと動物福祉」について綴りたいと思います。
冨岡利枝ブリーダーの子猫一覧
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